犬はシッポをよく振ります。
言葉を話すことができない犬にとって、シッポは感情を表すための大事な部位です。
犬のシッポには、半円状に巻いたもの、真っすぐで先が細くなっているもの、曲がりくねって短いものなど、様々な形状のものがありますが、すべての犬にとって感情を表現する役割は共通です。
犬を飼っている人であれば、愛犬がシッポを振っている姿はよく目にすると思います。
そこで今回は、犬がシッポを振る時に抱いている感情について調べてみました。
犬がシッポを振っている時は喜んでいる?
一般的に犬は、うれしいやたのしいなどの感情を抱いて、喜んでいる時にシッポを振ると思われています。
しかし、犬はシッポを喜びを表現する時にだけ振っているのではありません。
嬉しさや楽しさ以外の感情を抱いた時も、犬はシッポを使って表現します。
シッポの振り方で犬の感情・気分は違う
シッポを立てて先端をわずかに振る
シッポを立てて先端だけをわずかに振っている時は、自分が周りの他の犬の中で一番強いということを主張しています。「自分がここのボスだ」ということを表現しているのです。
シッポを立てて左右にゆっくり振る
シッポを立てて左右にゆっくりと振っている時は、何かに警戒しています。
犬同士の間でこのようなシッポの振り方をしている時は「近づくと攻撃するぞ!」という意思表示をしています。
この状態の時に人が近づくと攻撃される場合があるので注意が必要です。例えば不用意に手を差し出したりすると、飼い主の手であってもかみついたりする場合があります。
シッポを立てて素早く振る
シッポを立てて素早く振っている時は、とても興奮している状態です。
興奮は、喜びだけではないので注意が必要な場合があります。
シッポを振るスピードは興奮の度合いに比例していると考えられていますので、速度が速いほど興奮しているということになります。
シッポを立ててゆっくりと大きく振る
シッポを立ててゆっくりと大きく振っている時は、相手を誘っています。一緒に遊んでほしい時に「僕と一緒に遊ぼうよ!」と言っているのです。
ドッグランなどへ行くと、よくこのシッポの振り方をしている犬を見かけることがあります。
シッポを斜めに下げてゆっくり振る
シッポを斜め下に向けてゆっくり振っている時は、気分がよく精神が穏やかでリラックスしている状態です。
人間でいうと、無意識に鼻歌や口笛を吹いているような状態に似ています。
愛犬がこのようにしている時は、しばらくの間は邪魔をせずに、そっとしておいてあげるのが一番です。
まとめ
犬はシッポでいろいろな感情を表現してくれます。
喜びだけではなく、悲しみ、怒り、恐れなど様々な感情がシッポの動きには現れます。
シッポは犬の感情を写す鏡のようなものだということはわかりましたが、とても複雑なようです。
シッポを立てて振っていても、速度や振り方などによって犬の感情は、全く逆のものになったりします。
犬の感情を読み取るには、シッポだけではなく顔の表情やシッポ以外の部分の反応など、体全体の動作にも合わせて注意した方がよさそうです。
例えば、目を大きく見開いている時は興奮している場合があります。体の全体の毛を逆立てている時は警戒や緊張をしていたり、恐怖を感じている場合もあります。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、犬の場合には「尻尾は口ほどに物を言う」ということになるのかもしれません。
犬にとってシッポは、心の動きを表すチャームポイントのひとつと言えるようです。
補足
シッポの短い犬や断尾している犬は、シッポではなくお尻を振って感情を表現します。
また、シッポのある犬でもお尻に感情が表れることもあります。