犬が顔(口)を舐めるのはなぜ?おねだり?愛情表現?謝罪? [イヌの気持ち]

犬が顔をなめる

出かけていた飼い主が家に帰ってくると一目散に駆け寄ってきて、飼い主の顔をペロペロと舐める犬の姿をテレビや動画なので見た人も多いのではないでしょうか。
犬によっては、飼い主以外にも、飼い主の家族や友達、知人などの顔も舐めたりもします。
うちのワンコも暇があればすり寄ってきて私の顔、特に口元を舐めまわします。

なぜ、犬は飼い主の顔をなめるのでしょうか。

今回は、犬が飼い主の顔をなめる理由について調べてみました。

祖先から受け継がれてきた本能

今でこそ犬は人間にペットとして飼われているものがほとんどですが、ずっと昔はすべての犬が野生で暮らしていました。
犬が顔を舐めるのは、野生で暮らしていたころの本能が残っているためだそうです。

犬の祖先はオオカミと言われています。
オオカミの子どもは、母親の口の周りを舐めることで食べ物をねだります。
オオカミの母親は、子供が自分の口の周りを舐めると、自分が一度食べたものを吐き戻して子供に与えます。
この習性がオオカミから犬に進化した後も残っており、飼い主の口の周りを舐めるのです。

犬は大人(成犬)になった後でもお腹が空いていて何か食べたい時には、飼い主の口の周りを舐めることでエサをおねだりします。

愛犬が口の顔(特に口の周り)を舐めたら、「エサが欲しいんだな。」と察知してあげると犬も幸せかもしれません。
ただし、舐められる度に何か食べ物を与えていては、犬の健康にもよくありません(太ってしまいます)ので、ほどほどにしておいた方がよいかもしれません。

飼い主が喜ぶから

犬が飼い主の口の周り(顔)を舐めるのはオオカミ時代からの本能ですが、別の理由で犬が飼い主の顔を舐める場合があります。
それは、顔を舐めることで飼い主が喜ぶことを覚えている場合です。
愛犬が顔(口)を舐めた時に、飼い主が自分に対して愛情を表現してくれていると思って喜ぶと、犬はそれを見て「顔を舐めるとご主人様が喜んでくれる」ということを覚えます。
自分にとって大事なボスである飼い主に喜んでもらうために、お腹が空いていなくても顔を舐めることがあります。

飼い主の怒りを鎮める

犬は自分よりも強い犬や母犬に怒られた時などに、相手の口元を舐めることがあります。
これは相手の気持ちをなだめるためや、相手に服従の気持ちを表すために行っています。
ですので、飼い主がイライラしている時や怒っている時に、飼い主の顔を舐めることで「ごめんなさい。怒らないで。」と謝ったり、「私はあなたには敵いません。」と敬服したりします。

顔を舐めるのをやめさせたい場合は

飼い主の中には、自分が可愛がっている愛犬であっても顔(特に口の周り)を舐められるのを快く思わない人もいるでしょう。
顔が犬の唾液でベトベトになりますし、お化粧をしている女性であれば、化粧が崩れてしまうでしょう。また、顔に塗っている薬品(化粧やリップクリームなど)を犬になめさせたくない場合もあると思います。

犬は生まれながらに相手の顔を舐めるという習性がありますが、しつけをすることでやめさせることはできます。
犬が顔を舐めたらすぐにやめさせるために拒否をします。
ここで注意しなくてはならないのが、強い口調で叱ってはいけないということです。

犬は悪気があって舐めているのではありません。お腹が空いていたり、飼い主へ自分の感情を表現するために舐めています。愛情を表現するために舐めている場合もあります。
ですので、「こらっ!」「ダメッ!」「やめなさい!」などと厳しく叱っても、犬は「顔を舐めてはいけないんだ」とは思いません。
なぜ叱られているのかわからなかったり、愛情を示しているのに怒鳴られてがっかりしたりしてしまいます。
また、犬によっては自分の愛情が足りないと思い、逆にもっとしつこく舐める行為を行うようになったりします。

犬が顔を舐めるのをやめさせたいのであれば、犬を落ち着かせて理解させてあげなければなりません。

まずは自分が落ち着いて、「待て」や「お座り」などの命令(オーダー)を出します。そして、犬の気分を落ち着くのを待ちましょう。
これを何度も繰り返すことで、顔を舐めても「飼い主は喜ばない」「エサをもらえるわけではない」ということを犬が覚えます。
犬が命令に従って落ち着いたら、犬の頭や体を優しく撫でてあげてください。
そうすれば犬は安心して、次第に顔を舐めるのをやめるようになります。

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